シニア人生・これからコンサルティングセカンドキャリア支援コラム東京都の財政は大丈夫? 東京は今こそ、オリンピックをばねに世界に自分を売り込め!!

東京都の財政は大丈夫? 東京は今こそ、オリンピックをばねに世界に自分を売り込め!!

東京オリンピックは、新聞の表現を借りると “ほぼ無観客という形ながら、五輪・パラの歴史をつないだ。”(日本経済新聞9月6日)ということになるのでしょう。

成功だ、失敗だと決めつけることなく、この程度の表現が適切なのでしょうか?しかし、負の部分をあいまいにしたまま歴史をつないでは、将来に禍根を残します。今日は特に、財政上の問題に焦点を当てます。開催地・東京が背負ったオリンピックの経費負担がテーマです。

 

以前、オリンピック予算について、このコラム(6月22日掲載)に、オリンピック経費のかなりの部分を、東京都が負担しなければいけないことを述べました。東京都にはオリンピックというイベントからの収入が全くないのです(ゼロです)。実は、観客が入っていたとしても、東京都にはチケット収入は入ってこない仕組みなのです。東京都にとって、誘致の目的はチケット収入ではなく、観戦目的の観光客が落としてくれる滞在費・土産代などの経済効果が中心のはずです。そのオリンピックに関する附帯収入がほぼゼロになったのですから、東京都と都民にとっては相当の打撃です。

9月6日の日経新聞に、“五輪・パラリンピックの経済効果”として、以下の図の掲載がありました。当初の見通に比べ1.4兆円の目減りがあったとの試算です。要するに、東京都にとってはもろにこの数字(1.4兆円)相当の観光等での期待収入分が、消えてなくなったということになります。

9月12日の朝日新聞の一面では、“大会コストは、「関連」含め3兆円超か?” という記事がありました。公表分だけでも、東京都の負担分が7000億円を超えるとのことです。こちらは直接の支出です。

 

この二つの新聞記事をつなぎ合わせると、誘致の時は東京都が海外から観客を東京都とその周辺地域に受け入れる前提で 1兆4000億円の経済効果を期待し、オリンピックへの費用(7000億円)を負担しても、東京都は笑顔になれるという算段だったのでしょうか?東京都からは一切の報告がありません。

 

コロナが無ければオリンピックを東京で開催することで、競技とともに東京の街を観光客に知ってもらう折角のチャンスだったのですが、競技のテレビ放映だけになってしまいました。今回、東京都が目論んだ、観光収入の獲得と(世界の人達への)東京の街の情報発信という目的が儚くもしぼんでしまいました。つらい状況でしょうが、あえて、東京都の財政がどのようになっているのか、眺めてみることにしました。“東京都の財務諸表” でインターネットから検索すると、平成3年3月時点の資料が出てきます。貸借対照表の個所を、以下に転記します。

コロナ禍、そしてオリンピックを経験したことにより、財務状況は傷んでいることでしょう。

オリンピック収支報告は、今後明らかになるのでしょうが、取敢えず、朝日新聞の記事にある東京都の支出額7170億円が、東京都の財政に与える状況を見てみます。下の表の平成3年3月時点の、東京都の貸借対照表・正味財産の部合計額は 28兆8千億円強です。これだけを見ると、7170億円程度であれば、正味財産の2.5%ぐらいですので、難なく東京都で処理できるように思えます。取り敢えずは、将来ただちに東京都の財施状態がひっ迫する状態ではなさそうです。

ただ、正直申し上げて、東京都小池知事の東京オリンピックに対しての、思いが伝わってきませんでした。コロナ感染が収まらなかったので、世界中から観光客を集めることが出来なかったことは、やむを得ないにせよ、今回の東京オリンピックへの都知事の接し方に関しては、東京都が経済効果として何かしら策を講じているようには見えませんでした。東京オリンピックとパラリンピックの競技運営とコロナ感染予防に神経と労力を注がなければいけなかったことは重々承知しますが、根幹のオリンピック開催の意義について、都知事はあまりにも他人事に扱っていたように見えます。正式に言うならばオリンピック開催契約において、オリンピックの開催地は日本国ではなくて東京都だったのですから・・・。

 

原点に戻って、オリンピック・パラリンピックを招致した目的を考えた場合、東京都は海外に向けて、開催地としてもっとPR活動を行うべきだったのだと思います。今からでも遅くないと思います。

オリンピックの記念映画が出来ると思いますが、それとは別に東京都は、コロナが終わった後にオリンピック時に来日したであろう人数を上回る観光客誘致に向け、将来に亘って何等かの発信が必要だと思います。でなければ、東京の支出額7000億円が死に金になってしまいます。

ご相談・お問い合わせはこちら

ご相談・お問い合わせする