シニア人生・これからコンサルティングセカンドキャリア支援コラム東京オリンピックについて(その2:お金の流れからオリンピックを見ると・・・)

東京オリンピックについて(その2:お金の流れからオリンピックを見ると・・・)

前回に引き続き、今回もオリンピックの話題を扱います。内容は事業の収支から見るオリンピックです。

この文章が掲載されるのは、東京オリンピックの開催までおよそ一か月のタイミングです。菅総理は先日の首脳国会議G7で各国首脳から開催支援のお墨付きをもらったと意気揚々で、開催を目指しています。前回のこのコラムで、コロナウイルス感染の影響によりオリンピックを開催するかどうかについて悩ましい状況でも、オリンピック開催都市契約により縛られているから、開催地の東京そして日本がオリンピックの取り止めを言い出すことができないのだろうと、お話しました。では、IOCがどんなことがあってもやり抜こうとするのは、一体なぜなのでしょう?その答えはおおよその皆さんの想像と一致するとは思いますが、オリンピックを開催すればIOCが必ずもうかる仕組みになっているからのようです。オリンピックマネー全体とは言えませんが、IOCと開催地の金銭の流れの骨格が示されている、東京オリンピック組織委員会の資料(予算)を見つけました。

 

東京オリンピック組織委員会は、2016年12月の第一回目(バージョン1=V1)から延期後の2020年12月の第五回目(バージョン5=V5)まで、既に5回発表していますが、最新の2020年12月発表のV5予算は以下の通りです。

この予算はあくまでも、組織委員会と、開催都市東京都、日本国の予算です。IOCの懐事情(予算)とは違います。組織委員会はこの大会を運営するための事務局ですから大会終了と同時に消滅します。ということで、財産も負債も残さず清算されます。結局のところ、東京オリンピックの開催で東京都と日本国がどれだけ負担を負うのかを示す予算となっています。これを見ると、IOCの補助額、東京都と日本国の負担額が掲載されています。東京都と日本の支出により、オリンピックが成り立っていることが分かります。

収入額を見るとチケット代900億円とのことですが、全体から見ると意外と少ないとの印象です。(私の感想ですが・・・)。海外からの観戦客については今年3月に断念することを決定しました。従って。昨年12月計上の900億円の予算から海外客入場料収入分(半額ぐらい?)を、減額しなければなりません。さらに、今後ぎりぎりまで見極めることとなるのでしょうが、日本人客の収容についても変動があり得ます。

この予算を眺めると、収入額で一番大きな割合を占めるのはスポンサー収入だということが分かりますが、重要な点は、この東京オリンピック予算には含まれないスポンサー収入があることです。IOC本体が東京オリンピックだけに限定されない長期に亘ってワールドワイド・パートナーから得る収入です。その額がどれほどの大きさなのかは、公表されていません。さらに、IOCはそのスポンサー収入の他に放映権料も稼いでいます。東京オリンピック組織委員会はIOCのそれら収入の一部を補助額として得ていることをこの予算表が示しています。IOCが相当の大金持ちであることは、容易に想像つきます。

IOCにしてみれば、とにかく、オリンピックを予定通り開催して、ワールドワイド・パートナーからのスポンサー収入とテレビ局の放映権料が途絶えることだけを防げばいいのでしょう。

いまやオリンピックの本質・エッセンスはここに集約されていると言ってよさそうです。世界の冠たる一流企業達は長期の契約関係もあって、いまは退きたくても退けないと言った状況でしょうか?

もう一度、開催地に目を向けます。この予算を見て分かるように、そもそも開催地はオリンピック事業自体で、財政的には儲かる仕組みにはなってはいないのです。それを分かって開催を招致したのですが、その目的は一体何だったのでしょうか?国民の一体感の醸成、観光収入かもしれません。そういうものは今、手にしていません。遠くに行ってしまいそうです。オリンピックが終わったら、もう一度、このオリンピックは何だったと見つめなおす必要があります。そして、良いも悪いも、せっかく日本に世界が目を向けているので、それを活かさない手はないと思います。

 

最後に、開催地の東京都民として一言。東京都は観光客をオリンピック時に招き入れることが出来ず、都民の商売は全く潤いを得ることが出来ず終わりそうです。支出は相当額、都民税から払われることになるのでしょう。このことはしっかり、記憶に刻んでおくことにします。

一番大事だと考えることは、コロナが収束してから、世界の人々が東京に行ってみたいと思うような印象をこの大会で、いかに残すかだと思います。東京の魅力を、映像を通じて売り込むことが問われるのだと考えます。オリンピックの開催は避けられないようです。ここまで来たなら、東京は安全・安心そして快適性を中心とする魅力を、徹底的に世界に発信できるよう準備する他ありません。

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