シニア人生・これからコンサルティングセカンドキャリア支援コラム東京オリンピック”について(その1:開催都市契約の内容は?)

東京オリンピック”について(その1:開催都市契約の内容は?)

この文章が公開(掲載)されるのは6月8日の予定ですので、オリンピック開会式予定日7月23日まで残り45日というタイミングです。

本来ならば、お祭りがいよいよ目の前まで迫りウキウキ感が生まれる頃です。しかし、コロナ感染収束の見通しが定かではない現状では、とてもお祭りを迎えて、明るくはしゃぐという雰囲気ではありません。少なくとも私の心境はお祭り気分ではありません。

 

IOCや菅総理はいまだに、安全な大会を開催すると言い続けています。オリンピック開催是非についての、5月のFNN世論調査によると、中止56.6%、無観客開催26.3%、観客制限開催15.5%という結果だったとのこと。多くの日本人は、今はオリンピックをやる時期ではないと考えているととらえてよさそうです。混沌としています。

私の個人的に感じている印象ですが、国、東京都やほかのオリンピックの関係者の誰もが、心底オリンピック開催を前向きにとらえているとは思えません。IOCにものが言えず金縛りにあったかのようです。IOCにものが言えない何かしらの事情があるようです。一体、何がそうさせているのでしょうか?余りにも不可解なので、IOCと開催国日本を縛るものは何だ?!と探したところ、オリンピック開催都市契約なるものを見つけました。IOCにモノが言えない根拠の部分はざっと、以下の通りです。

 

契約当事者は、IOC、開催都市(東京都)、日本オリンピック委員会です。2013年9月7日付けのブエノスアイレスでの締結です。日本国政府は本契約の締結者ではないものの契約の一項に、『IOCは、開催国の政府がオリンピック憲章及び開催都市契約を遵守するという誓約を確信し、特にこれを信頼した。』という内容を含み、国家の位置づけが示されています。

今、オリンピックを延期か中止かとすべきという声が上がっていますが、関連の規定を求めると、本契約66条 a)項には、契約の解除について “本契約を解除して、開催都市における本大会を中止する権利を有するのは、IOC。”との規定があります。つまり、開催都市や開催国が口を出すことが出来ないのです。

また、71条では、“予測できない、または不当な困難が生じた場合、OCOG(組織委員会)は状況に応じて合理的な変更を状況において合理的な変更を考慮するようにIOCに要求できる。ただし、・・・・、IOCの行使する裁量に委ねられることを条件とする。IOCは当該変更につき考慮、同意または対応する義務を負わないことが理解され同意されている” とあり、開催困難の状況が生まれた際に、組織委員会が変更を申し入れても、IOCは対応する義務を負わないとまで規定されています。

要するに、大会契約上はIOCが中止すると言い出さなければ、中止はあり得ないということのようです。日本政府がオリンピックの開催について否定しない(できなかった)のは、コロナに対する安全が保証されているからというより、IOCにものが言えないからと言う方が当たっていそうです。なぜ、こんな内容の条文(日本から中止の申入れが出来ないとする内容)で進めたのだ?と、誰かが突っ込んでもよさそうですが、政治家の先輩批判になるから、それも避けているのだと思われます。こんないい加減な契約を結んだのは、誰だということにもなるのかもしれません。

確かに今のようなパンデミックを見越すなんてことは誰もできなかったでしょう。とは言っても、オリンピック招致に盛り上がっていたあの時は東北沖大震災のすぐ後ですから、もしあのような震災が起きた時はどうなるのだろうという、想像力を誰かが働かせたら、別の展開だったのかもしれません。しかし、そのような申し出をすれば、IOCの方が東京を候補都市から排除したことでしょう。国を盛り上げるために良かれと思ったことが、こんな結果(コロナ・パンデミック)になるとはだれも予想できませんでした。それに、IOCに一方的に優位な契約については、それを飲んででも是非ともオリンピックをやりたかったのだから、多少、目をつぶってサインすることも仕方がなかったのかもしれません。

このような契約締結の経緯について問題は残るにせよ、今、それを議論することは止めましょう。でも日本の将来の為には、うやむやにせず落ち着いたときにゆっくり議論をしてもらいたいです。いまの焦点は、45日後にやってくる東京オリンピックをどうするかです。ポイントは、日本を守ることに本気になることだと考えます。国家のリーダーは、過去のリーダーが結んだ契約に引きずられる仕事をしているだけでは困ります。だからと言って、過去の政治家がやったことにケチをつけている場合でもありません。困難を覚悟に、とにかく、国家や国民にとって今、やるべきことを自分の頭で考えて、自分の責任で進むことです。率直に言います。今は、オリンピックをやっている場合ではないです。と私は思います。

でも、どうしてもやるというのであれば、一般の日本人の患者を守る医療体制を最優先に確保し、かつ医療従事者にオリンピックからの負担をかかることのないことを、菅総理が国内に保証して発信することです。海外からの選手団に対しては、今回のオリンピックは従来のオリンピックとは全く違う、一切の祭典や交流行事のない競技会だと明確にする必要があると考えます。だらだらやっていると、勘違いをしている選手がとんでもないことをやりかねないと想像しますので・・・。

責任ある立場の方々には、信念をもって、分かりやすく語ってもらいたいです。

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